「改善」という言葉の使い方

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僕は昨年、「改善」という言葉を使われたケースで2度ほど腹を立てました。どちらのケースにおいても、僕の書いたコードに対して「改善して欲しい」という形で使われました。言葉遣いに関しては、非常に丁寧で何の問題もありませんでした。しかし、僕は腹を立てました。何故か。

とあるコードの作者に対して投げられる「改善して欲しい」という言葉には、以下の二つのパターンがあると思います。

  • 作者自身もその部分を修正する必要を感じた、あるいは既に感じていた場合
  • 作者自身はその部分を修正する必要を感じなかった場合

先に挙げた2つのケースは、どちらも後者でした。

どうしてこんなに腹が立つのか。自分はおかしいのではないかと思いながら、「改善」という言葉の意味を改めて調べてみました。

かいぜん 0 【改善】
(名)スル
物事をよい方に改めること。
⇔改悪
「待遇を―する」「―の余地がある」

要するに、現状では悪い状態のものを良い方に改めるということです。コードに対して「改善して」とお願いするということは、「貴方の書いたコードはダメです、使えません」と言っているのと同義ということです。なるほど、それで僕は「自分では修正する必要がない、あえてそうしている、仕様としている」という部分について「改善」という言葉を使われた時のみ、腹を立てたのですね。合点が行きました。

もちろん、「改善して」と言っている側にとっては、それは確かに「改善」なのでしょう。それは理解できます。

以前の職場で、納品したものに何かしら自分の意にそぐわない部分を見つけると、何でもかんでも「バグです」「バグです」と報告してくる顧客に遭遇したことがあります。仕様書に記述されている通りの動きをしなければそれはバグなのですが、そうでなければそれは仕様漏れであったり、顧客の勝手な思い込みだったりで決してバグではありません。今回はなんとなく、その時のお客さんを思い出しました。

言葉の意味というのはきちんと理解して使わないと、いや、理解していても使う場面を誤ると、人を不快にさせるものなのだなぁと自戒の念を込めて。